この記事はなが全く示されていないか、不十分です。(2016年1月) |
民謡(みんよう、独: Volkslied、英: folk song)とは、主に民衆の生活のなかで生まれ、口承によってうたい継がれてきた歌の総称。
概要
不特定多数の民衆によって自由に伝承されているうちに自然と形になった歌である。特定の地域集団や職業集団に固有の歌謡という捉え方が一般的だが、数世代に渡って体験的に継承されたものに限り、芸能を専門とする者が修正を加えたものは除外するという立場もある。
民謡という概念はドイツで誕生した。1773年にドイツの思想家ヘルダーによってVolksliedという用語が提唱された。これは「Volks(=民衆の)」+ 「Lied(=歌)」という合成語であった。それ以前は地域や時代により様々に呼ばれていたものを、Volksliedと総称したのである。
広義には、作者が分かっている民謡調の俗謡・新民謡なども含み、特定の国や地域や民族における、民俗音楽の重要な要素であるが、その見地からの総合的記述は音楽民族学の項に譲る。
日本語の「民謡」は明治時代(1868年 -1912年)の半ば、民俗学など学問的な必要から、ドイツ語のVolksliedという用語(もしくはそれを英語に訳した「folk song」)の訳語として創出された(「民謡」なる語を使い始めたのは森鴎外や上田敏だという)。日本でもやはりそれまでは地域や時代により様々に呼ばれていたわけだが、里謡、俚謡(りよう)などとも呼ばれていた。
ヨーロッパの民謡
ドイツ
フランス
など
イタリア
ロシア
アフリカの民謡
- ライオンは寝ている(The Lion Sleeps Tonight)
アジアの民謡
中国
朝鮮
モンゴル
ロシア
ベトナム
- ベトナムの民謡は極めて多様であり、クァンホ、ハット・チャウ・バン、カ・チュ、hò、hát xẩm、などの様式がある
日本の民謡
民謡 Minyou | |
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様式的起源 | |
文化的起源 | -![]() |
サブジャンル | |
融合ジャンル | |
地域的なスタイル | |
関連項目 | |
日本の民謡と言うと、狭義には日本各地での口承歌のことをいう。日本の民謡は、口承で伝えられてきたの総称で、大部分は歌のみで楽器は加わらない。
民謡の中には、民衆の生活に根ざした労働歌、祭祀・年中行事の歌などが含まれるが、子供向けの
日本の民謡は日本語の発声や韻と深く結びついている。音階に関しては、陽旋法(長調)のものは、ヨナ抜き音階である。リズムや音の数に関しては、(労働歌や酒席での即興から生まれたものが多いため)字余りや変拍子などの複雑で不自然なリズムや音数のものも少なくない。
1987年(昭和62年)の調査では現存する民謡は、およそ58,000曲である。
口伝で伝えられたそれらの曲の歌詞は、労働時のつらい気持ちを払拭するための愚痴や、酒席での性についての内容のものが多かったと言われる。近年の曲では「炭坑節」がそのいい例で、女工らの性に関する表現が含まれており、この曲を地域の伝統文化として子供たちに歌わせることの是非問題に発展することもある。そのため現在歌われている民謡の多くは、明治維新以後に地方自治体や文化団体が歌詞を公募し、低俗な歌詞を差し替えて、地元の伝統文化として再構築されたものが多いという。
なお、現在では冷静な学問としては、欧米などの学者の世界では、琉球民謡やアイヌ音楽も、"広義の日本の民謡"の枠の中に入れて扱うということになる。(ただし、日本の一部の民族主義的な人は、感情的になって、それらを「日本の民謡」の枠の外のものと見なそうとすることもある。だが、現在では学問的に言えば、琉球人も紛れもなく日本人の一部なので、琉球民謡も日本民謡の一部なのである。)
広義では、広く人口に知れ渡った歌という意味で、流行歌の一部も含むことがある。
特に明治時代後期から大正時代にかけて北原白秋らによって新たに創作された民謡風の曲は、それまでの伝統的な民謡と区別して「新民謡」、もしくは「創作民謡」と呼ばれる。また大正時代から昭和初期にかけて中山晋平、藤井清水、野口雨情、西條八十らによって創作された、主に地域の宣伝のための新民謡は、特に「地方小唄」と呼ぶ場合がある。
武田俊輔『民謡の再編成』によれば、「民謡」は大正から昭和初期の野口、中山、レコード会社、文部省、民俗学、NHKによる運動の発明品ともいうべき存在で、全国各地の郷土色豊かな旋律を「民謡」の名のもとに再編成・固定化し、全国に流通すべく産業化したものとも言え、例えば安来節のようにその枠からはみ出た流行 に、「正調」「保存会」が後から出て来るといった事例 がある事でその見方は一定の力を持っている。かつて労働などの日常のやりとりのなかで歌が歌われる際には、文句や節回しは人により、時と場合により違っていたのである。
- 新潮流としてグループ「民謡クルセイダーズ」や「」があり、民謡の新しい聞き方、新たなファン層を呼んでいる。
種類
都道府県 | 曲名 |
---|---|
北海道 | 江差追分、北海盆唄、ソーラン節、、、、鰊場作業唄 |
青森県 | 津軽じょんから節、田名部おしまこ、、、、 |
岩手県 | 南部牛追唄、、、 |
宮城県 | (前唄「」・中唄「斎太郎節」・後唄「」)、さんさ時雨、塩釜甚句 |
秋田県 | 秋田音頭、ドンパン節、、、、、、、おこさ節、、 |
山形県 | 真室川音頭、花笠音頭、、、新庄節、、あがらしゃれ、もみすり唄 |
福島県 | 会津磐梯山、相馬盆唄、新相馬節、 |
茨城県 | 磯節、常磐炭坑節、潮来音頭 |
千葉県 | 、木更津甚句、おいとこそうだよ |
栃木県 | |
群馬県 | 八木節、草津節 |
埼玉県 | |
東京都 | お江戸日本橋、深川節、大島節 |
神奈川県 | だんちょね節、、チャッキラコ |
山梨県 | |
長野県 | 木曽節、伊那節、小諸馬子唄 |
岐阜県 | 郡上節、、おばば (岐阜音頭)、 |
新潟県 | 佐渡おけさ、新潟おけさ、米山甚句、三階節、浦佐サンヨ節、佐渡甚句 |
富山県 | 越中おわら節、こきりこ節、越中麦屋節、せり込み蝶六、、 |
石川県 | 、山中節、、〔輪島まだら・七尾まだら〕、 |
福井県 | 三国節 |
静岡県 | ノーエ節 |
愛知県 | 、、岡崎五万石 |
三重県 | 桑名の殿様、伊勢音頭、 |
滋賀県 | 、 |
京都府 | 竹田の子守唄、福知山音頭、 |
大阪府 | 河内音頭、、 |
奈良県 | 祭文音頭、、、、、 |
兵庫県 | 、デカンショ節 |
和歌山県 | 串本節、、、、、、 |
鳥取県 | 貝殻節 |
島根県 | 安来節、関の五本松、、、、、 |
岡山県 | 中国地方の子守唄 |
広島県 | 、、 |
山口県 | 男なら |
徳島県 | 、、、、、 |
香川県 | 金比羅船々、一合まいた、野球拳 |
愛媛県 | 伊予節、、 |
高知県 | よさこい節 |
福岡県 | 黒田節、炭坑節、、、、 |
佐賀県 | 、、佐賀の菱売り唄 |
長崎県 | 長崎ぶらぶら節、、、、 |
大分県 | コツコツ節、宇目の唄げんか |
熊本県 | おてもやん、五木の子守唄、東雲節、、よへほ節、キンキラキン、、田原坂 |
宮崎県 | ひえつき節、刈干切唄、 |
鹿児島県 | 鹿児島おはら節、、、、、、、行きゅんにゃ加那 |
沖縄県 | 谷茶前節、唐船ドーイ、安里屋ユンタ、クイチャー、、てぃんさぐぬ花、赤田首里殿内 |
歌手
- 初代浅野梅若(秋田民謡。秋田荷方節ほか。秋田三味線の名人)...当代となるは初代の養女。
- 小野花子(秋田民謡。本荘追分ほか)
- 岸千恵子(津軽民謡。じょんから節ほか)
- 金沢明子(津軽民謡。じょんから節ほか全国の民謡)
- (津軽民謡。津軽五大民謡ほか)
- (津軽三味線。津軽民謡。津軽五大民謡ほか)
- (津軽民謡。津軽五大民謡ほか)
- (津軽民謡。津軽五大民謡ほか)
- (津軽民謡。津軽五大民謡ほか)
- 三橋美智也(オーケストラ伴奏で全国の民謡を手掛けた)
- (安来節ほか。東京の寄席でも活躍した)現在は実娘である二代目が活躍。
- (お座敷民謡。岡崎五万石ほか)
- (磯節の名人)
- (安来節の名人。現在4代目)
- (新潟民謡。相川音頭ほか)
- 大島里喜(大島民謡中心。大島節・あんこ節ほか)
- (宮崎民謡。稗搗節ほか)
- (五木の子守唄)
- 豆千代(岐阜民謡中心。おばばほか)
- 藤本二三吉(木曽節などのほか、各地の新民謡)
- 赤坂小梅(九州民謡中心。おてもやんほか)
- 小唄勝太郎(新潟民謡中心。おけさ踊りほか)※おけさ踊り=佐渡おけさの勝太郎節。
- 浅草〆香(新潟民謡中心。新潟おけさほか)
- 音丸(串本節ほか)
- 市丸(天竜下ればほか)
- 新橋喜代三(鹿児島おはら節ほか)
- (長崎民謡。ぶらぶら節ほか)
- 鈴木正夫(初代・二代目。相馬民謡中心。新相馬節ほか)
- (黒田節などの九州民謡を中心に全国の民謡を手掛ける)
- (宮崎正調ひえつき節ほか)
- (津軽民謡。弥三郎節ほか)
- 原田直之(大漁唄い込みほか、全国の民謡を手掛ける)
- 大塚文雄(会津磐梯山ほか、全国の民謡を手掛ける)
- (江差追分などの北海道民謡を中心に全国の民謡を手掛ける)
- (江差追分をはじめ、全国の民謡を手掛けた)
- (初代の実弟。全国の民謡を手掛けた)
- (秩父音頭、八木節などの関東民謡を中心に全国の民謡を手掛ける)
- 斉藤京子(座敷唄を得意とし、全国の民謡を手掛ける)
- (特徴の違う東北物から西物まで全国の民謡を歌い分ける)
- (佐渡おけさほか。夫は尺八の米谷威和男)
- (三崎甚句など。三味線の本條秀太郎の高弟)
- 米谷和美 (1963年、米谷威和男に師事。1964年、キングレコードより 小花で民謡歌手デビューし、1965年、米谷和美と改名。)
- (薩摩民謡)
- 稼木美優(薩摩民謡)
- 福田こうへい(南部民謡・演歌歌手として活躍中)
- 坪山豊(奄美シマ唄)
- 朝崎郁恵(奄美シマ唄)
- (奄美シマ唄)
- 牧岡奈美(奄美シマ唄)
- 里アンナ(奄美シマ唄)
- 川畑さおり(奄美シマ唄)
- 嘉手苅林昌(琉球民謡)
- 知名定男(琉球民謡)
- 喜納昌永(琉球民謡)
- 登川誠仁(琉球民謡。三線の名手で登川流宗家)
- 砂川国夫(宮古民謡)
- 山里勇吉()
- 世持桜(八重山民謡)
- ()
演奏家
- (三味線。初代鈴木正夫の伴奏などを務めた)
- 藤本琇丈(三味線。藤本流初代家元・民謡三味線の名人。現在は長男が二代目を継承)
- 本條秀太郎(三味線。藤本琇丈の弟子で、現代邦楽などでも活躍する鬼才)
- 千藤幸蔵(三味線。藤本琇丈の弟子で、民謡研究家としても著名)
- (鳴物。現在の民謡鳴物の基礎を作った)
- (鳴物。畔上三山の弟子。山田流家元)
- (鳴物。畔上三山の弟子。美波流家元)
- (鳴物。美波参駒の弟子)
- (鳴物。美波参駒の弟子。美鵬流家元)
- 菊池淡水(尺八。民謡尺八の名人)
- (尺八。「民謡」の名付け親)
- (尺八。藤本琇丈の弟子。米谷流家元)
- (尺八。矢下流家元)
- 津軽三味線演奏家は当該項目を参照。
賞・コンクール
- 産経民謡大賞 - 産経新聞社主催。1966年から開催
- 日本民謡ヤングフェスティバル - 主催。1991年から開催
- 日本民謡フェスティバル - 日本民謡協会主催。
- 日本民謡大賞 - 日本テレビ系の特別番組。1978年から1992年まで放送
テレビ・ラジオ番組
- 民謡をたずねて - 全国放送されているラジオ番組(NHK制作)
- 民謡をどうぞ - 東北地方で放送されているラジオ番組(NHK仙台放送局制作)
- クボタ民謡お国めぐり - 東北地方で放送されていたテレビ番組(秋田テレビ制作)
- キンカン素人民謡名人戦 - フジテレビで放送されていた番組
- それいけ!民謡うた祭り - NHK総合テレビで放送されていた番組
関係する団体
南北アメリカの民謡
オセアニアの民謡
- (Kookaburra)