人口地理学(じんこうちりがく、英語: population geography)は、人口現象の地理的分布や移動からを理解することを目標とする、人文地理学の一分野である。
研究対象
人口地理学の研究対象は、大きく、人口分布(人口規模の空間的パターン)、人口構造の空間的パターン、人口変動の空間的パターン、人口移動で分類することができる。
人口分布
人口分布は、人口規模の空間的パターンのことである。
人口分布を表現する方法の1つとして分布図が挙げられる。人口分布図をで表現したり、人口密度図を階級区分図で表現したりすることができる。
人口分布をあらわす指標として、人口密度、人口重心、、などが挙げられる。
人口構造の空間的パターン
人口構造には、生物学的な分類(性別・年齢など)による人口構造と、文化・経済・社会的な指標に基づく人口構造が存在する。
主なものとして、性別構造や年齢構造が挙げられる。性比による性別構造の分析のほか、、生産年齢人口、の割合などを踏まえて年齢構造の分析が行われる。
人口変動の空間的パターン
人口変動とは、人口規模や人口構造の変化のことを意味し、出生、死亡、人口移動により引き起こされる。出生率や死亡率の地域差などが研究対象となる。
人口移動
詳細は「人口移動」を参照
人口移動は、地域人口の変化に大きな影響を与える事象であり、人口地理学の主要な研究テーマの1つである。国内人口移動では、例えば都市・農村間での人口移動が研究対象となる。
人口学と比較した特徴
人口地理学では、人口学でも扱われる性別や年齢に限らず、宗教や職業など文化的な側面や社会・経済的な側面の地域差も考察対象とする。また、香川 (1995)では、人口地理学は人口学と比べて空間認識力が高いこと、市町村以下のミクロスケールでの地域分析力が高いことが指摘されている。